公道上における安全走行について

公益財団法人 日本自転車競技連盟

自転車の一番の魅力は風を切るスピードであることは誰しも認めることです。この魅力こそ自転車が誕生して以来、他の乗り物が次々生まれる中でもその地位を保ってきた所以でしょう。しかし、スピードが出るがゆえに、危険も伴うことはいうまでもありません。
近年交通事故件数が減少しつつある中で、むしろ自転車事故が事故全体に占める比率は高まっており、自転車ライダーが被害者にも加害者にもなっています。人生を豊かにするスポーツが、不幸の原因になるようなことはお互いに注意して防がなければなりません。
自転車で公道を走行する時、とりわけトレーニングをする時には、よく整備された自転車で、交通法規を遵守し、常に安全に留意されるよう、お願いいたします。

安全第一・歩行者優先
公道では一般の車両や歩行者の交通の便のために存在します。その意味ではけっして練習に最適な場所とはいえません。練習する場合には自己の安全のみならず、他者の安全にも注意してください。

交通規則の遵守
スポーツマンとして規則を守るという当然のことが、お互いを守ることになることを認識してください。

以上を踏まえ,下記事項に注意してください:

  1.  安全管理体制
    • 練習計画にあたり、責任者を明確にし、危険回避のための練習中断等の判断が敏速にできる体制を整える。
    • 練習コース上の危険箇所・注意事項を練習参加者全員で情報共有する。
    • 使用器材が交通ルールに適合していること、メインテナンスが充分なされていることを確認する。
    • 事故時の連絡体制を明確にしておく。
  2. 保険加入
    • 他人に怪我をさせた場合に備え、賠償保険に加入する。民事裁判で5000万円を超える賠償の判決が出た例もあり、また加害者が未成年の場合には親に支払いの責任がある。
    • 自分の怪我に備え、スポーツ傷害保険等に加入する。
  3. 使用器材
    公道を走行する以上、自転車自体も交通規則に従っていなければならない。また、ヘルメットの着用は、競技・練習に関わらず義務付けられている。

    • 独立した2系統のブレーキを前後輪に備えること。
    • ベルを備えること(交通ルール上必須。「声を出すから大丈夫」は通用しない)
    • 反射板もしくは反射テープを後方に備えること(昼の練習であっても、トンネル内で身を守るために必須)
    • ライト(前照灯)を備えること(昼の練習であっても、トンネル内で身を守るため、期せずして夜の時間帯にずれこんだ事態に備え、必ず取り付けまたは着脱式を携帯すること)、前照機能がある充分な明るさのあるものを使用すること。
  4. 走行方法
    • 左側通行
    • 信号を守る
    • 携帯電話、ミュージックプレイヤーは走行中使用禁止
    • 前を見る。下を見たまま走行しない。
    • 複数名で走る場合、安全な間隔を保ち、先頭走者は後方に声、身振りで危険を後方に伝える。
  5. 事故時の救護義務
    万が一、自分が加害者となる事故が発生した場合、けが人の救護を行う。
    また、協力して事故現場に他の車両が接触する二次事故を防ぐ措置を執る。

以上は主な留意事項であり、これが対策のすべてということではない。